
国税庁の有識者会議で示された残余利益方式を、会議資料のページつきで解説|計算式、国税庁の計算例の途中計算、年利益(正常利益)・還元率・しんしゃく率の考え方、1,378社の試算結果、自社で試算する手順まで
オーナー企業の事業承継・株価算定と、スタートアップの資本政策を支援しているプラスト税理士法人です。
「残余利益方式って、結局どうやって計算するの?」
「うちの自社株の評価額は、新しい方式だと上がるの?下がるの?」
国税庁の有識者会議で、非上場株式(自社株)の新しい評価方法として「残余利益方式」が示されてから、こうしたご質問が増えています。税理士法人として忖度なしでお伝えすると、残余利益方式の計算そのものはシンプルで、決算書と法人税申告書があれば、自社の評価額の「方向感」は今からつかめます。一方で、還元率やしんしゃく率といった肝心の数字はまだ決まっていないため、1つの数字だけを見て判断するのは危険です。
本記事では、自社株の評価が気になるオーナー経営者と経理・財務の担当者に向けて、残余利益方式の考え方と計算式を、国税庁が示した計算例の途中計算までたどって解説します。議論の全体像(類似業種比準方式の廃止案、スケジュールなど)は非上場株式の評価見直しの全体像(有識者会議の要点)で解説しているので、本記事は「計算のしくみ」に絞ってお伝えします。
この記事の結論(2026年10月20日時点)
• 計算式は、評価額=(直前期末の簿価純資産+1〜5年目の残余利益の現在価値の合計)×しんしゃく率です。
• 残余利益方式は、会社の価値を「今ある簿価純資産」+「株主が通常期待する以上に稼ぐ力(残余利益)の5年分」で測り、最後にしんしゃく率(=評価の安全性を考えた割引)を掛ける方式です(国税庁 第6回資料7〜8ページ)。
• 国税庁の計算例では、純資産1億円の会社の評価額が、年利益1,000万円なら約8,261万円、年利益500万円なら約6,853万円になります(還元率8%・しんしゃく率0.8は仮定)。
• 還元率・しんしゃく率は未定で、方式そのものにも委員から強い反対意見があります。確定前の案として、幅を持たせて試算しておくのが現実的です。
1. 残余利益方式とは?国税庁が示した新しい評価方法
残余利益方式は、国税庁の「取引相場のない株式の評価に関する有識者会議」で、非上場株式の新しい原則的な評価方法として示された方式です。第5回会議(2026年8月20日)の「見直しイメージの骨子」では、会社規模による評価方法の区分をなくして評価方式を一本化し、会社の稼ぐ力から価値を測るインカムアプローチのうち、「残余利益モデル」を採用する方向が示されました(第5回 当日机上配付資料1ページ)。
考え方は、①保有資産(簿価純資産)±②収益獲得能力(数年分の稼ぐ力)で会社の価値を測るというものです(第5回資料2ページ)。資産を時価に洗い替えず帳簿価額を使うのは、売却を前提としない継続企業の資産価値とみるためで、時価評価の事務負担がないことも理由に挙げられています(同資料2ページ、骨子3ページ)。
なぜDCF法や配当還元方式ではなく、残余利益方式なのか
会議では、会社の稼ぐ力から価値を測る代表的な3つの方法が比較されています(第5回資料1ページ。第3回の委員資料をもとにしたもの)。
| 方法 | 使えない会社 | 予測期間後の価値への依存 | 将来予測の難しさ |
|---|---|---|---|
| 配当還元(配当割引) | 配当を抑えている、またはゼロの会社 | 最も大きい | 配当の予測は難しい |
| DCF法(=将来の現金収入を現在の価値に割り戻す方法) | 成長期でフリーキャッシュフローがマイナスの会社 | 大きい | フリーキャッシュフローの予測は難しい |
| 残余利益方式 | 特には見あたらない | 明らかに小さい | 利益は過去の実績から比較的予測しやすい |
国税庁は、理論的な根拠を持つ残余利益モデルに、税務上の評価として画一性・簡便性などから一定の修正を加えたもので、現行制度より合理的と位置づけています(第6回資料11ページ)。
参考記事:非上場株式(自社株)の評価の改正・見直しはどうなる?類似業種比準方式の廃止案と残余利益方式|国税庁 有識者会議・第6回までの要点
2. 残余利益方式の計算式|「簿価純資産+5年分の残余利益」×しんしゃく率
第6回会議(2026年9月16日)の資料で示された計算式は、次のとおりです(第6回資料7〜8ページ)。
評価額 = {直前期末の簿価純資産 + 1〜5年目の残余利益をそれぞれ現在価値に割り戻した額の合計}× しんしゃく率
• 残余利益 = 年利益 −(その年の期首の純資産 × 還元率)
• 現在価値への割り戻し:t年目の残余利益 ÷(1+還元率)t
• 2年目以降の期首の純資産 = 前年の期首の純資産 + 年利益 − 年配当
ポイントは次の4つです。
• 還元率は、株主が通常期待する収益率(株主資本コスト)です。割り戻しにも同じ率を使います。
• 年利益・年配当は、毎年同じ額が続くと仮定します(過去5年の平均から計算。次の章)。
• 期首の純資産は、利益から配当を引いた額だけ毎年積み上がります。
• 加算するのは5年分だけで、6年目以降の価値(ターミナルバリュー)は、過小評価の可能性はあるものの安全性を考えて加算しない案です(第6回資料6〜7ページ)。5年とした理由は、中期経営計画が3〜5年であることなどが挙げられています。
年利益が「純資産×還元率」を上回る会社は残余利益がプラスになり、評価額は簿価純資産より高くなります。反対に、赤字や低収益の会社は残余利益がマイナスになり、評価額は簿価純資産より低くなります(第5回 骨子3ページ)。
※第5回の骨子では、この算式に、従業員持株会の株式の買取額を差し引き、完全子会社の株式の評価額を加える調整も示されています(骨子11ページ)。
3. 国税庁の計算例を途中計算までたどる(例①・例②)
国税庁が第6回資料で示した2つの計算例(還元率8%、しんしゃく率0.8は仮定)を、1年ごとの途中計算まで並べます。各年の現在価値の金額は資料に載っていないため当法人で計算したものですが、合計と評価額は資料の数字と一致します(第6回資料26〜27ページ)。各年の現在価値は円未満を四捨五入しているため、表の合計と1円ずれることがあります。
例①:純資産1億円、年利益1,000万円、年配当200万円の会社
| 年 | 期首の純資産 | 純資産×8% | 残余利益(1,000万円−左) | 現在価値(÷1.08t) |
|---|---|---|---|---|
| 1年目 | 1億円 | 800万円 | 200万円 | 1,851,852円 |
| 2年目 | 1億800万円 | 864万円 | 136万円 | 1,165,981円 |
| 3年目 | 1億1,600万円 | 928万円 | 72万円 | 571,559円 |
| 4年目 | 1億2,400万円 | 992万円 | 8万円 | 58,802円 |
| 5年目 | 1億3,200万円 | 1,056万円 | ▲56万円 | ▲381,127円 |
| 合計 | 3,267,068円 | |||
評価額 =(1億円 + 3,267,068円)× 0.8 = 82,613,654円(約8,261万円)
純資産が毎年800万円(利益1,000万円−配当200万円)ずつ積み上がるため、同じ利益でも「純資産×8%」が年々大きくなり、残余利益は少しずつ減っていきます。5年目にはマイナスに転じています。
例②:純資産1億円、年利益500万円、年配当100万円の会社
| 年 | 期首の純資産 | 純資産×8% | 残余利益(500万円−左) | 現在価値(÷1.08t) |
|---|---|---|---|---|
| 1年目 | 1億円 | 800万円 | ▲300万円 | ▲2,777,778円 |
| 2年目 | 1億400万円 | 832万円 | ▲332万円 | ▲2,846,365円 |
| 3年目 | 1億800万円 | 864万円 | ▲364万円 | ▲2,889,549円 |
| 4年目 | 1億1,200万円 | 896万円 | ▲396万円 | ▲2,910,718円 |
| 5年目 | 1億1,600万円 | 928万円 | ▲428万円 | ▲2,912,896円 |
| 合計 | ▲14,337,306円 | |||
評価額 =(1億円 − 14,337,306円)× 0.8 = 68,530,155円(約6,853万円)
利益も配当もない会社はどうなる?
資料では、利益も配当もない会社(純資産100)の評価額が、還元率2%で91、5%で78、10%で62になる例も示されています(しんしゃく率を掛ける前。第6回資料8ページ)。たとえば還元率5%なら、残余利益は毎年▲5(=0−100×5%)で、5年分の現在価値の合計は約▲21.6、評価額は100−21.6=78.4です。資料はこれを「事業用資産に対する事実上の評価減効果」と説明しています。還元率が高いほど、稼いでいない会社の評価額は大きく下がるしくみです。
4. 計算に使う数字|年利益(正常利益)・還元率・しんしゃく率
還元率とは、株主が通常期待する1年あたりの収益率のことです。残余利益方式では、純資産にこの率を掛けた額を「株主が当然期待する利益」とみて、それを上回る分を残余利益として評価額に加えます。
| 項目 | 国税庁の案(2026年10月20日時点) | 資料 |
|---|---|---|
| 純資産 | 直前期末の簿価純資産。法人税申告書の別表五(一)(=利益の積み立ての明細)をもとにする案 | 第6回資料4〜5ページ |
| 年利益 | 課税時期(=相続・贈与があった日)前5年の「正常利益」の平均(税引後)。継続的に生じない特別損益は除く。12か月に満たない事業年度は12か月相当に直す。別表四(=所得の計算の明細)をもとにする案 | 第6回資料3〜6ページ、骨子11ページ |
| 年配当 | 支払配当金の5年平均(将来も毎期続くと見込めない配当は除く) | 骨子11ページ |
| 還元率 | 上場株式の平均期待収益率などを参考に、CAPM(=国債などの利回りに、株式のリスク分の上乗せを足して期待収益率を求める方法)で国税庁が算定し、通達で定めて公表する案。計算例の8%は仮定。一律とするか、上場と非上場の差をどう扱うかは今後の論点 | 第5回資料3ページ、骨子11ページ、第5回議事要旨4ページ、第6回資料1ページ |
| しんしゃく率 | 還元率を上場株式を基準に算定する場合に、時価の算定として適正な範囲で設定する案。試算は1.0/0.9/0.8/0.7の4通りで、水準は今後の議論 | 第6回資料7・9〜10ページ |
利益を一時的に下げる対策は「正常利益」で戻される方向
年利益は、利益を一時的に下げる対策の影響を除いた「正常利益」で計算する案です(第6回資料13〜14ページ)。
• オペレーティング・リース(=航空機などの賃貸に出資して損失を計上する投資):課税時期にあるものは「なかったもの」として、損益と純資産の両方を修正する案
• 一時的な役員退職金:利益に足し戻す案(支払済みの退職金は個人の財産になるため、純資産は修正しない)
• 親族役員の報酬:「一定の割合」を正常利益として加算する案。ただし慎重な検討が必要とされ、委員からも反対意見が出ています
持株会社(ホールディングス)を使った株価対策が、新しい方式でどう扱われるかは、次の記事で詳しく解説しています。
参考記事:【ホールディングス化】持株会社の株価対策はもう使えない?評価見直し案で変わる4つのポイントと、いまやるべきこと
5. 評価額は上がる?下がる?1,378社の試算結果
国税庁は、令和2〜5年分の申告から抽出した1,378社のデータで、還元率8%と仮定した試算を公表しています。類似業種比準価額と純資産価額の両方を算出している会社が対象で、完全子会社株式の修正などの個別調整は反映していません。現行の評価額の中央値(=並べたときに真ん中に来る会社の値)と比べた増減は次のとおりです(第6回資料9〜10ページ)。
| 区分 | しんしゃく率1.0 | 0.9 | 0.8 | 0.7 |
|---|---|---|---|---|
| 大会社(128社) | +114.7% | +93.2% | +71.7% | +50.3% |
| 中会社(820社) | +40.2% | +26.1% | +12.1% | ▲1.9% |
| 小会社(430社) | ▲1.9% | ▲12.0% | ▲21.8% | ▲31.6% |
| 全体(1,378社) | +28.1% | +15.2% | +2.3% | ▲10.4% |
現行の評価額以下になる会社の割合は、しんしゃく率0.8の場合で、大会社24.2%、中会社42.2%、小会社67.9%、全体48.6%です(同資料10ページ)。大会社ほど上がりやすく、小会社ほど下がりやすい傾向ですが、中央値の比較であり、個々の会社では資産や利益の状況によって大きく変わります。
委員からの主な意見|賛否が分かれている
• 慎重・反対の意見:日本商工会議所の委員は、一定規模以上の中小企業で評価額が現行の2〜5倍近くになるとの試算を示し、方式そのものへの反対を表明しています(第5回議事要旨1ページ、第6回委員提出意見書1〜2ページ)。純資産が増えると評価額が上がるため成長投資と矛盾する、税務ベースの数字では会計処理の違いで評価額が変わる、といった指摘もあります。経済産業省・中小企業庁は、類型別・個社別の影響試算を求め、拙速な見直しを避けるよう要望しています(第6回オブザーバー等提出意見書)。
• 理論面の指摘:上場市場の期待収益率を非上場会社に一律に当てはめることへの疑問が出ています(第5回議事要旨)。一方で、加算期間を5年に区切ると評価額がおおむね1〜1.5割小さくなるとしつつ、5年より先の予測は難しいこと、高いROE(=自己資本利益率)は平均5年程度しか続かないという研究があることなどを、5年とする理由に挙げる発言もあります(第5回議事要旨6ページ)。
• 評価する意見:M&Aの実務と似ていて違和感はない、穏当だという意見もあります(同議事要旨)。
6. 残余利益方式で評価しない会社と、子会社株式・配当還元方式の扱い
| 区分 | 国税庁の案 |
|---|---|
| 資産管理会社 | 純資産価額方式。特定資産(有価証券・賃貸不動産・現預金など)の帳簿価額が総資産の70%以上、または運用収入が総収入の75%以上かで判定する案(事業承継税制の基準を参考。第6回資料19〜20ページ) |
| 開業後5年未満の会社・開業前の会社 | 計算に必要な実績がないため、純資産価額方式(同19ページ) |
| 組織再編直後の会社 | 原則として純資産価額方式。ただし合理的な予測ができる場合は残余利益方式の余地あり(同19ページ) |
| 休業中・清算中の会社 | 休業中は純資産価額方式、清算中は清算分配見込額(同19ページ) |
| 完全子会社の株式 | 簿価ではなく適正な価額に直して、親会社の評価額に反映する案(同15ページ) |
| 配当還元方式 | 使える株主の範囲を絞って存置。新しい算式は「1株あたりの年平均配当額÷還元率」で、残余利益方式と同じ還元率を使う案(骨子10〜11ページ) |
なお、評価額の上限を純資産価額とする扱いを残すかどうかは、検討中とされています(第6回資料17ページ)。
7. 今からできること|自社で残余利益方式を試算する手順
還元率やしんしゃく率が決まっていなくても、次の手順で「自社の評価額が上がる方向か、下がる方向か」は確かめられます。
| 手順 | やること |
|---|---|
| ① 数字を集める | 直近5期分の決算書と法人税申告書(別表四・別表五(一))、配当の実績 |
| ② 正常利益を出す | 5期分の税引後利益から、一時的な特別損益(役員退職金、固定資産の売却損益など)の影響を除いて平均する |
| ③ 幅を持たせて計算する | 還元率を数通り(例:6%・8%・10%)、しんしゃく率を0.7〜1.0で置き、本記事の計算式で評価額を出す |
| ④ 現行の評価額と比べる | 今のルール(類似業種比準方式・純資産価額方式など)での評価額と並べ、上がる方向か下がる方向かを確認する |
| ⑤ 計画を点検する | 上がる方向なら、事業承継の時期や方法(贈与・事業承継税制の特例措置の期限など)を早めに検討する。下がる方向なら急いで動く必要は小さく、今後の議論を確認しながら検討する |
事業承継税制の特例措置の期限(特例承継計画の提出は2027年9月30日まで、贈与・相続は2027年12月31日まで)は、次の記事で解説しています。
参考記事:事業承継税制(特例措置)は延長される?2027年12月31日の期限と令和9年度改正の見直し、今からの準備
8. まとめ|残余利益方式は「簿価純資産」と「稼ぐ力」で決まる
自社株の評価額、新しい方式で計算したらどちらに動くか、確かめていますか?残余利益方式は、決算書と申告書の数字で計算できる方式です。還元率やしんしゃく率が決まる前でも、幅を持たせて試算すれば、事業承継や株式の移動の計画を見直すべきかどうかの判断材料になります。
次のどれかに当てはまるなら、一度試算しておくべきです。
• 利益が安定して出ていて、純資産も積み上がっている
• 今は類似業種比準方式で評価していて、評価額が純資産より大きく低い
• 後継者への株式の贈与や、持株会社の設立を予定している
• 役員退職金やオペレーティング・リースで利益を調整してきた
自社株の評価・事業承継でお悩みなら、プラスト税理士法人へご相談ください
こんな経営者様はご相談ください。
• 自社株の評価額を、現行ルールと残余利益方式の両方で試算したい
• 試算結果をもとに、事業承継の時期と方法を組み直したい
• 増資やストックオプション、従業員持株会の株価の根拠も合わせて整理したい
プラスト税理士法人は、自社株の評価・株価算定から、事業承継・組織再編、M&Aまでを一貫して支援しています。国税庁の会議の資料が公表されるたびに内容を確認し、試算の前提を更新しています。初回のご相談は無料です。
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よくある質問
●残余利益方式とは何ですか?
非上場株式の新しい評価方法として、国税庁の有識者会議で示された方式です。直前期末の簿価純資産に、株主が通常期待する以上に稼ぐ力(残余利益)の5年分を現在価値に割り戻して加え、しんしゃく率を掛けて評価額を求めます。2026年10月20日時点では検討段階の案で、確定していません。
●残余利益方式の計算式を教えてください。
評価額={直前期末の簿価純資産+1〜5年目の残余利益の現在価値の合計}×しんしゃく率です。残余利益は「年利益−期首の純資産×還元率」、現在価値はt年目の残余利益を(1+還元率)のt乗で割って求めます。2年目以降の期首の純資産は、前年の期首の純資産に年利益を足し、年配当を引いて積み上げます(国税庁 第6回資料7〜8ページ)。
●還元率は何%になりますか?
決まっていません。国税庁は、上場株式の平均期待収益率などを参考にCAPM(資本資産価格モデル)で算定し、通達で定めて公表する案を示しています。会議資料の計算例や試算で使われている8%は仮定の数字です。
●赤字の会社は、残余利益方式で評価額がどうなりますか?
年利益が「純資産×還元率」を下回ると残余利益がマイナスになるため、評価額は簿価純資産より低くなります。利益も配当もない会社では、還元率5%の場合、しんしゃく率を掛ける前の評価額は純資産の約78%になります(国税庁 第6回資料8ページの例)。ただし、資産管理会社や開業後5年未満の会社などは、純資産価額方式で評価する案です。
●残余利益方式はいつから適用されますか?
2026年10月20日時点で、適用時期は示されていません。国税庁は、見直しは税制改正のプロセスを経て行うとしたうえで「今秋を目途に一定の方向性」を示すとしています。第7回会議の開催日も公表されていません。
【主な根拠資料】国税庁「取引相場のない株式の評価に関する有識者会議」:第3回資料・議事要旨(令和8年6月4日)/第4回議事要旨(令和8年7月3日)/第5回資料・当日机上配付資料(見直しイメージの骨子)・議事要旨・委員提出意見書(令和8年8月20日)/第6回資料・委員提出意見書・オブザーバー等提出意見書(令和8年9月16日)/財産評価基本通達178〜189-7(取引相場のない株式の評価)
※会議資料のページは、各資料の下部に印字されたページ番号です。
※第3章の各年の現在価値は、資料の前提(還元率8%・しんしゃく率0.8)をもとに当法人で計算したもので、合計と評価額は資料の数字と一致します。
※本記事は2026年10月20日時点で国税庁が公表している資料に基づく一般的な解説です。有識者会議で示された内容は検討段階の案であり、確定したものではありません(第6回の議事要旨は同日時点で未公表)。個別の事案への適用・最終判断は、担当税理士にご確認ください。
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